アイヌ語の消滅の危機 アイヌ民族 アイヌは日本の北部地域とロシアの幾つかの島々に住んでいた先住民族です。アイヌ民族は日本本土から孤立し、独自の文化を発展しました。現在、アイヌ語は消滅の危機に瀕しています。私の研究はこの危機に因みます。 このプロジェクトには主に 3 つの目標があります。これらの目的は、アイヌ語の消滅危機の原因を解明すること、アイヌ民族と日本人の関係を調査すること、そしてアイヌ語の将来について考えることです。アイヌ民族は豊かな口承伝承があり、多くの文書資料を残していない為、研究を進めるには二次資料のみに頼ることが必須となりました。 歴史 アイヌ民族が縄文時代の人々の子孫であることは広く認められています。アイヌはその歴史を通じて、主に北海道と東北地方の一部に住んでいました。 室町時代 (1336 ~ 1573 年)、日本人は東北地方の一部を占領し、アイヌ民族を日本に同化するか、さもなければ強制的に立ち退かせる制度を施行しました。江戸時代 (1603 ~ 1868 年)、アイヌ民族と日本人 (和人) は資源を交換し、概して良好な関係を保っていました。 天皇の権力を強める為に明治維新が1868年に始まりました。しかし、日本帝国の成立後の 1869 年に、アイヌの土地は正式に北海道として日本に編入されました。これはアイヌの文化的同化をもたらしました。 アイヌ民族の同化 前述したように、アイヌの同化は日本人が東北地方のアイヌ民族の土地を支配した室町時代に始まりました。江戸時代に続き、1869 年の北海道併合により、日本帝国は明治天皇の権力を維持するためにアイヌの人々の生活と土地を完全に管理することになりました。併合から 30 年後、1899 年の北海道旧土人保護法は、アイヌ語の使用の禁止、宗教的な行事や慣行の禁止など、非常に有害な法律を定めました。強制的な同化は教育の面でも現れました。アイヌ民族は学校で日本語を学ぶことを強制され、差別的な偏見などアイヌ民族に対する否定的な意見があったため、アイヌ民族ですら子供たちにアイヌ語を教えることを控えていた。 アイヌと日本の関係性 江戸時代、北海道併合以前、アイヌ民族は蝦夷と呼ばれていました。蝦夷という言葉を分析すると、日本人のアイヌに対する偏見が明らかになります。 蝦夷の「え」は海老やロブスター、「ぞ」は野蛮人の意味を持ちます。日本人がアイヌを「原始的で野蛮のよう」だと考えていたことは明らかです。このような固定観念や偏見がアイヌ民族が日本帝国に正式に導入され、社会的、経済的差別を受けるようになった理由です。このアイヌ民族の排斥は一世紀以上続きました。 ありがたいことに、アイヌ語とアイヌ文化に対する日本人の意見は改善される一向です。 1899年に導入された北海道旧土人保護法は、1997年のアイヌ文化振興法に置き換えられました。この新しい法律は、アイヌ語の使用禁止の廃止など、日本国内でのアイヌの社会・政治的地位の向上に繋がりました。 アイヌ民族に対する日本人の意見は改善されましたが、差別表現は今もあります。例えば「あ、 犬」というフレーズがあります。「アイヌ」のように聞こえるかもしれませんが、アイヌ民族を犬と比べる非常に差別的な表現です。このような表現によるアイヌ民族の非人化は、日本人とアイヌ民族の困難な過去の象徴であります。 アイヌ文化の継承とアイヌ語の未来 アイヌ語は日本政府により消滅の危機に瀕していました。しかし、アイヌ語を保存・継承するための取り組みは、言語の「寿命」を延ばす為に効果的であると考えられています。 将来のアイヌ語の復興についてはまだ不確かです。保存活動は今も続けられており、アイヌ語の存続とアイヌ文化の継承の可能性は高まる一行です。しかし、アイヌ語を母語とする人数は約 20 と推定され、言語の保存は非常に困難な問題であります。アイヌ語の未来に関わらず、アイヌ民族の文化と言語について学ぶことは、日本の歴史について学ぶために必要な極めて貴重な経験です。 文献: Tahara, Kaori. “The Saga of the Ainu Language.” UNESCO, 12 Feb. 2019, https://en.unesco.org/courier/numero-especial-octubre-2009/saga-ainu-language. 塚田 …
Read more “Takumi Abe – Japanese”